アデル ファラオと復活の秘薬 - 渡まち子

◆フランスの国民的人気コミック「アデル・ブラン=セック」シリーズの実写映画化だが、ハリウッド映画ばりの冒険アクションと、フランス映画らしいおしゃれなセンスが効いている(60点)

 良くも悪くも仏映画をエネルギッシュにしているのがリュック・ベッソンだが、本作はヒロイン・アドベンチャーでたっぷり楽しませるエンタメ映画になった。1911年のパリ。世界中の不思議を追う美人ジャーナリストのアデルは、仮死状態の妹を救うため、エジプト王家に伝わる復活の秘薬を入手すべく王家の谷にいた。ピンチを切り抜けてパリに戻ってみると、そこでは、翼竜・プテロダクティルスが孵化し、人々を襲うという事件が勃発、街は大騒ぎになっていて…。

 1976年から続くフランスの国民的人気コミック「アデル・ブラン=セック」シリーズの実写映画化だが、ハリウッド映画ばりの冒険アクションと、フランス映画らしいおしゃれなセンスが効いている。映画で、魔法と科学が混在する時代と言えば普通は19世紀のロンドンが舞台。だが本作は 20世紀初頭のパリということで、さらにファッションとアートの香りが加味された。冒頭、さまざまな仕掛けが施されたエジプト地下古墳での冒険は、まるで女性版インディ・ジョーンズだが、元気一杯で勝気なヒロイン・アデルのキャラが魅力的だ。脇キャラも不気味やのん気などメリハリがあって楽しい。ジュラ紀の翼竜とエジプトのミイラ軍団が蘇ると聞けば、一大事に思えるが、物語はあくまでも平和的でコミカルなもの。特にアデルとミイラのやりとりにはユーモアが満載で大いに楽しめる。さらに職業をさまざまに変えるアデルの変装でコスプレ的な一面も。はたして復活の秘薬を手に入れて妹を救うことができるのか。はたまた悪の一味を倒すことができるのか。クライマックスにルーブル美術館(ただしピラミッド無し)をもってくることでフランスならではの説得力をプラス。米映画ではこうはいかない。元はお天気お姉さんだというルイーズ・ブルゴワンのキュートな魅力と共に楽しみたい、のどかな冒険映画だ。

渡まち子

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