アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの - 岡本太陽

◆氷河期に入っても実は恐竜は存在していた!?(45点)

 「氷河期になってからも恐竜は実はいた!」そう唱えるのは20世紀フォックスアニメ映画『アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの(原題:ICE AGE: DAWN OF THE DINOSAURS)』だ。恐竜に代わり氷河期には哺乳類が地球上を支配していた。しかし氷の下には絶滅したはずの恐竜達が何ごとも無かったかの様に暮らしていたのだ。そんな空想的な仮説がこの映画のアイデア。いくら子供向け映画とはそんなアイデアなら一緒に観に行く大人はしらけてしまう。

 氷の世界で、マンモスのマニーは妻のエリーと生まれて来る子供を楽しみにしていた。しかし平和な雰囲気の暮らしの中で、サーベルタイガーのディエゴは情熱を感じられず、ナマケモノのシドはマニーたちに相手にされず寂しい思いをしていた。そんな時、地表の氷が割れ1人で遊んでいたシドはそこに落ちてしまう。そしてそこには不思議な3つの大きな卵があり、シドは生まれて来た子供達を母として育てる様になる。ところがある日生まれた子供達の母ティラノサウルスが地上に現れ、地下へシドと子供達をさらって行ってしまう。

 カルロス・サルダンハとマイク・スルメイアが監督を務める本作ではお馴染みのキャラクターに再びレイ・ロマノ、クィーン・ラティーファ、デニス・リアリー、ジョン・レグイザモ、クリス・ウェッジ、ショーン・ウィリアム・スコット、ジョシュ・ペック等が声を提供しており、わたしたちはそのかわいらしいキャラクター達に懐かしい対面を果たす。ストーリーは地底に行くと恐竜が栄えているという、もろにジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を彷彿とさせるもので、それは如何なものか? と思わされる。なぜなら今年は『マーシャル博士の恐竜ランド』が既に公開され、昨年は『センター・オブ・ジ・アース』が3Dで公開され、似た様な雰囲気の映画が続いているからだ。これではどうしても新鮮みの無さだけが目立ってしまう格好だ。

 それでも本作はメインキャラクター達以外の活躍が著しく目立つため、彼らの活躍を見るという楽しみ方が出来る作品になっている。いつも木の実を追いかけているスクラットは本作で恋愛を経験し、女には弱くなってしまうという一面を見せ笑いを誘う。物語はわりとのらりくらりと展開してゆくのだが、そんな展開に変化が訪れるのはバック(サイモン・ペグ)というイタチの新しいキャラクターが登場してから。彼は以前は地上に居たらしいが、今は地底世界に1人で暮らしており、そこを訪れる哺乳類達に会い興奮し、宿敵である恐竜との武勇伝を語る。彼は寂しい男。しかし、スリルがないと生きていけない。そんな彼の姿に熱いものを感じる人も多いはずだ。また彼は本作のキャラクターの中で最も人間に近い性格かもしれない。

 この『アイス・エイジ3』は『カールじいさんの空飛ぶ家』や『コラライン』同様3Dアニメ映画で、特に作品の冒頭ではわたしたちの期待を膨らませてくれる演出がなされている。作品全体を通して、特に3Dでなくてはいけないという必要性は感じられなかったが、ピクサーよりも効果的に3Dを使っている様に感じられた。そろそろ3Dアニメーションも劇場では定着して来た感が伺える。

岡本太陽

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