◆スピード感と勢いを感じさせる展開は観る者を一気に楽しませてくれる。(70点)
今では『スパイダーマン』シリーズで知られているサム・ライミ監督の『死霊のはらわた』(85)に続く監督第二弾作品。
気が弱くて冴えない警備員のヴィク(リード・バーニー)は、好きな女であるナンシー(シェリー・J・ウィルソン)とともに殺人事件に巻き込まれてしまい、ヴィクは犯人となってしまったのだが・・・・・・。
全体的な描き方は漫画チックであり、スピード感と勢いを感じさせる展開は観る者を一気に楽しませてくれる。何といっても40年代テイストを感じさせる懐古趣味的な描写が最大の見所であり、往年のスラプスティックコメディーやミュージカルの要素を取り入れたことによって面白さが倍増し、これがまたとてもパワフルに描かれていて観る者を圧倒させてくれるのだ。さらにはカーアクションまで描かれ、カークラッシュに爆破シーンという具合にアクション映画ファンに対するサービスもしっかりと用意されている。過去の作品のパロディーも散りばめられているので映画好きの方にとっては大変嬉しく思えることだろう。
脚本はライミ監督と、『ノーカントリー』(07)でアカデミー監督賞及び脚色賞を受賞したことが記憶に新しいジョエルとイーサンのコーエン兄弟。
(佐々木貴之)