◆もはやホラーとはほど遠い安さがうける面白さ(75点)
「XX(エクスクロス)魔境伝説」は、宝島社の第1回「このミステリーがすごい!」大賞で話題となった「そのケータイはXX(エクスクロス)で」が原作。執筆したのは、なんと日常は新阪急ホテルのベルボーイとして働いているという上甲宣之さん。2008年には『コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ)』がテレビドラマ化の予定とのこと。
さて、本作品、ストーリーは、温泉旅行にやって来た女子大学生2人(しより・愛子)が狂った村人やハサミ女に襲われるというもの。非常に怖いのかと身構えて映画館へ入場すると・・
始まりから訳の分からない、薄気味悪さで興味をそそられる。。
何故か十字架に掛けられ左足を斧で切断される若い女の子の衝撃的な場面が!(ここでは思わず自分の左足に力が入ってしまった(笑)
そこから一転、何かに怯え旅館の押入れに閉じこもるしより(松下 奈緒)の場面へ。その押入れの中、しよりは着信音が鳴り響く持ち主不明の携帯に恐る恐る出てみると・・・「今すぐ逃げろ!足を切り落とされるぞ!」と不気味な警告を受ける!!
温泉地へ着いてまもなく喧嘩し、別行動をとってしまったしよりと愛子(鈴木 亜美)のそれぞれの行動が時間が巻き戻ったり、それぞれの立場から見た映像に切り替わったりと、まるでジェットコースターにでも乗っているかのような速度でストーリーが展開していく。あっという間の2時間。
全く先が読めないこの構造は、実に新鮮でよかった!!
しよりは足フェチ(笑)の村人から懸命に逃げ、愛子はゴスロリ(ふりふりリボン付きの洋服)を着たハサミ女から逃げる。
中でも愛子とハサミ女役:レイカ(小沢 真珠)の戦いは突如なる大音にビクつきながらも特大バサミVSチェーンソーと、もはやホラーとはほど遠い安さがうける面白さだった!
何故、しよりは村人に足を狙われ、愛子はハサミ女に命を狙われているのかということも含め、なんだ!?なんだ!?と見ていくうちに、しよりと愛子、そしてしよりの元彼役:朝宮(池内 博之)とのちょっと複雑な人間関係が明らかになってゆく・・・
そして話は、不気味な警告をしてきたしよりの通話相手:沼田と、しよりが電話で助けを求めた友人:弥生(しょこたん)も含め、しよりを奇怪な村へと導いた新犯人は誰か!?またその目的はなんなのか!?そしてしよりは誰を信じるのか!?というミステリーへと繋がっていった。
しかし、このミステリーもちょっとしたどんでん返しはあったもののあっさりと解決してしまい・・・クライマックスへと進んでいくうち、怖さは微塵もなくなってしまった(笑;)
最後は日本版ゾンビと化した村人ややっぱり単なる足フェチか!?っと思える真犯人・・そしてハサミ女の行動に、笑いが噴出してくるありさまで、作成した側も、絶対受け狙いではないのかと思う程!
ホラー映画と期待して見に行った私だったが、逆に潔くいい裏切られかただったので別の意味で非常に面白かった!!
最後のオチ(?)沼田の正体が私の中で一押し!!声はかっこよかったんですがね(笑)
(スタッフ古庄)