X-ファイル:真実を求めて - 岡本太陽

モルダー&スカリー!全世界大人気のテレビシリーズの映画版第2弾登場!(65点)

© 2008 TWENTIETH CENTURY FOX

 科学では説明の付かない超常現象をテーマにしたアメリカのテレビシリーズ『Xファイル』。超常現象に対し肯定的なFBI捜査官フォックス・モルダーと同じくFBI捜査官で超常現象に対し疑いを持つダナ・スカリーのコンビが活躍し、このドラマは世界中で人気を博した。

 シリーズはアメリカでは1993年から2002年までテレビ放送され、9シーズンまで制作された。また、1998年には『Xファイルザ・ムービー』が公開され大ヒットを記録した。映画版はXファイル課が閉鎖され、現場任務にまわされたモルダーとスカリーが政府関連ビル爆破の責任を問われるが、爆破現場にあった少年と救助隊の死体の捜査を進めていくうちにある謎の組織の存在を突き止める…、という内容の映画だった。この映画版から10 年、この夏『Xファイル』が再び映画として帰って来た。この映画版第2作目『Xファイル:真実を求めて(原題:X-FILES: I WANT TO BELIEVE)』では第1作目の監督ロブ・ボウマンに代わり、『Xファイル』シリーズの製作総指揮を務めたクリス・カーター自身が監督を務める。

 『X ファイル』シリーズが終了したから6年後、ウェスト・バージニア州である女性FBI捜査官が姿を消すという事件が起こる。元FBI捜査官で、現在はあるカトリック病院で医師として働くスカリーのもとにFBI捜査官のドラミーが訪れ、消えたFBI女性捜査官を始め、数名の行方不明の女性を捜すために、現在 FBIに逮捕されないために、どこかでひっそりと暮らしているモルダーに捜査に協力してくれる様に伝えて欲しいとスカリーに依頼する…。

 映画版第1作から10年、テレビシリーズ終了から6年が経ち制作された本作『Xファイル:真実を求めて』はまず、モルダーもスカリーもFBI捜査官ではないという設定だ。スカリーは医師として働いているが、モルダーにおいては髭面で登場する。彼はFBIに狙われていると思い込んでいるため、引きこもりに近い生活を送っているのだ。そんな彼らは現在恋仲にあり、彼らのロマンスを垣間みれるのも今回の映画の面白い点だろう。

 なぜこの第2作が 2008年の今年に公開になるのか?と疑問に感じる人も多いはずだ。2002年にテレビシリーズが終了し、翌年や翌々年の公開ならばあまり違和感を感じないが、6年もの後の公開となるとなぜ今なのかという疑問が消えない。どうやらお馴染みの出演者や制作者が皆揃って映画を作る事が出来るタイミングの問題だったようで、2008年まで延びてしまったのだ。

 しかも、この『Xファイル:真実を求めて』は規模が小さく、わざわざ映画化しなくても良かったのではないかと感じさせられる代物で、6年も待った甲斐はないかもしれない。映画製作の予算も第1作に比べ半分に減り、テレビのスペシャルエピソードを観ている感覚に陥ってしまうだろう。また、この映画は続編を予感させるものではなく、事件はこの映画の中で解決してしまうので、テレビのエピーソドらしさが顕著だ。

 ただ、クリス・カーターとフランク・スポトニッツによる脚本は観る者の興味をそそるもので、ハラハラさせられる展開がテレビシリーズ同様釘付けにさせられる。モルダーとスカリーはテレビシリーズで何度か超能力者の力を借り、事件を解決した事があったが、『Xファイル:真実を求めて』でも『ラストサムライ』等に出演していたイギリス出身の俳優ビリー・コノリー演じる超能力を持つジョー神父の力を借りることになる。その際にモルダーとスカリーがFBIを離れ、それぞれが信じるべきもの、彼らが求める真実と真っ向に向き合い、苦悩する姿が描かれ、ただ単に彼らが事件に関わり、それを解決するだけの話にとどまらない深いストーリーとなっているのもこの映画の魅力だ。

 『Xファイル』というと、数ある超常現象の中でも、映画第1作で取り上げられた様にエイリアンやUFOといったSF的なエピソードを思い浮かべるだろう。しかし、この『Xファイル:真実を求めて』では SFエピソードは完全に払拭している。今回のストーリーはミステリー・ホラーで、不気味さを前に打ち出している。今年の夏は『インディ・ジョーンズ:クリスタルスカルの王国』がSF仕立ての結末だったので、クリス・カーターとフランク・スポトニックの書き上げた物語は結果的にミステリー・ホラーで正解だった。

 この映画ではテレビシリーズにはいなかったアマンダ・ピートがFBI捜査官として登場し、あまり派手ではないが物語にそっと色を添える。またシリーズからのある人物がストーリー後半に現れ、それに『Xファイル』ファンは興奮してしまうはず。どうしても映画としての規模が小さく、テレビのエピソ?ドの枠を越えられない『Xファイル:真実を求めて』だが、ストーリー自体は薄気味悪さに溢れ、『Xファイル』ファンは満足出来るはずだ。『X ファイル』のファンではない人にはなかなか受け入れてもらえない作品かもしれないが…。

岡本太陽

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