THE 4TH KIND フォース・カインド - 福本次郎

◆心理学者のもとを訪れた患者を撮影したビデオと、その様子を俳優によって再現した映像は、なにかとてつもない異常が起きていることを予感させる。しかし、ドキュメンタリーに擬した手法はさんざんやりつくされていて生ぬるい。(30点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 心理学者のもとを訪れた患者のインタビューを撮影したビデオと、その様子を俳優によって再現した映像。それら二つを、スクリーンを左右に分割し同時進行で見せ、なにかとてつもない異常が起きていることを予感させる。アラスカの小さな街でたびたび起きる超常現象を解明しようとするヒロインが真相に迫る過程で、彼女自身もまた犠牲者になっていく。しかし、UFOによる拉致といった題材自体が古臭い上に、ドキュメンタリーに擬した手法も最近ではさんざんやりつくされていては、その衝撃は生ぬるい。

 多発する不眠症を診察するうちに「白いフクロウ」という共通点を見つけたアビゲイルは、トミーという患者に催眠術療法を試みる。トミーは突然苦しみだし、「想像できないくらい最悪なものを見た」ことを思い出した上、帰宅後一家心中してしまう。ある夜、アビゲイル自身も不思議な体験をし、彼女のテープに未知の言語が録音されていた。

 人間を連れ去り何らかの処置をした上で元の生活に戻す。戻ってきた人間が部分的に記憶を消されていて心身に不調を訴えるのは、いかにも70年代的なトンデモ学に倣っている。さらにアビゲイルを連れ去った宇宙人は数千年前に滅んだ古代シュメール語を話していたことになっている。宇宙人はそんな大昔からちょっとずつ人間にちょっかいを出して、自分たちの存在を時々思い出させようとしているのだろうか。そもそもUFOで地球に来るくらい科学文明が進んでいるのなら、堂々と姿を見せれば地球人は戦う意思も見せずに和平を乞うはずだが。。。

 地球外知的生命体が存在することも彼らが過去に地球に来た可能性も否定しないが、少なくとも20世紀以降のUFO目撃談はねつ造か妄想。この映画のようなあたかも本当に起きた事件のような扱いは、矢追純一並の見え透いてはいるが手の込んだ性質の悪い冗談ようで、フィクションと分かっていても笑うに笑えなかった。

福本次郎

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