ユリア伝の冒頭の部分にある空白の1年を描く(60点)
映画完全オリジナルの物語は“真救世主伝説”第2作ユリア伝の冒頭の部分にある空白の1年を描くもの。ケンシロウが北斗神拳の伝承者に選ばれた理由、心身ともに傷ついた彼が救世主としての使命に目覚めるきっかけなどが主な主題だ。ケンシロウはまだ若く甘いので、闘いの爽快感は極めて薄い。悪役や新キャラもスケールが小さい上に、ラオウとトキの出番もほとんどなく不完全燃焼気味で寂しい。だが、エンドロールの後に、漫画そのままの静止画と無声映画風の字幕で原作のエピソードを紹介し、「おまえはもう死んでいる」のセリフでキメてみせる。これはファンへの贈り物だ。
弱肉強食の荒野を平和と秩序ある世界に戻すために立ち上がったケンシロウが天命を自覚するまでの、原作本で描かれなかったエピソード。しかしアニメの表現技術がTV放映された1980年代から進歩しておらず、物語も物足りない。(40点)
その優しさは自分の命を奪いにきた敵にさえ情をかけ、結局その情が甘さにつながってしまう。ケンシロウという男の性格は、大義のためには捨てなければならない命があることを認めることができず、すべての弱きものを救おうとする。しかし、それが己を窮地に陥れ、愛する者をライバルに奪われる。弱肉強食の荒野を平和と秩序ある世界に戻すために立ち上がったケンシロウが自らの天命を自覚するまでの、原作本で描かれなかったエピソード。しかしアニメの表現技術がTV 放映された1980年代から進歩しておらず、細部まで描きこまれたCGや宮崎アニメを見なれたものには古臭く、物語も作り込みが足りない。
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