どこかレトロな雰囲気が魅力的(55点)
© 2008 THE CODE プロジェクト
冒頭からテンポのいい音楽でのせられる、インターネットシネマの劇場版。どこかレトロな雰囲気が魅力的だ。主人公は暗号の天才“探偵507”。依頼を受けて中国の上海に飛んだ彼は、今まで見たことのない配列の暗号解読に挑むが、そこには、旧日本軍の財宝にまつわる哀しい事実が待っていた。上海マフィア、怪しげな情報屋、美しい歌姫、謎の狙撃手などが次々に登場し複雑に展開するとみせかけて、謎解きの妙技はあっさりと描かれる。見所は林海象監督特有のノスタルジックな世界観だ。探偵という職業にこだわる林監督の美意識が、観客を過去へと引きずり込む。作り物めいた異国情緒も狙ったものだろう。浮世離れした風貌の尾上菊之助はピタリとハマッたが、松方vs宍戸が師と弟で対決するのはちょっと疑問。
黒いスーツにネクタイ、中折れ棒に黒縁めがねの探偵たちが、爆弾のコードを解除していくプロローグは非常にスリリング。現代的な都市の風景とレトロモダンな探偵の対比が鮮明で、この作品の持つスタイルを効果的に印象付ける。(50点)
© 2008 THE CODE プロジェクト
黒いスーツにネクタイ、黒い中折れ棒に黒縁めがね。同じようなコスチュームに身を包んだ探偵たちが、川崎市の各地に仕掛けられた爆弾のコードを解除していくプロローグは非常にスリリング。現代的な都市の風景とレトロモダンな探偵たちおよび探偵事務所内部の対比が鮮明で、この作品の持つスタイルを効果的に印象付ける。探偵はハイテクに頼らず、あくまで自分の足で情報を集め、自分の頭で整理・分析し、自分の手で事件を解決しなければならないという鉄則。主人公の武器は明晰な頭脳と古い007映画的な小道具だけの古典的な探偵像に対するこだわりが、過去にタイムスリップしたような独特の世界観を構築している。
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