全身黒装束に仮面、マントを翻して狙ったお宝を盗み出す。近過去の日本、身分が固定された社会で二十面相は何をなそうとしていたのか。現代格差社会への批判であることは明白だが、窃盗や破壊行為に走るのはどうしたことだろう。(30点)
© 2008「K-20」製作委員会
全身黒装束に仮面、マントを翻して狙ったお宝を盗み出す。一方で変装の名人として他人になりきることも得意。近過去の日本、身分が固定された社会で二十面相は盗みを通じて何をなそうとしていたのか。そのあたりの物語の作りこみが不十分で、CGに頼ったレトロ風の街並みばかりが印象に残る。現代日本の格差社会への強烈な批判であることは明白なのだが、窃盗や破壊行為に走るしか能がないのはどうしたことだろう。結局、日本は戦争で負けるしか社会を根本的に変えることができないということなのか。
この映画の批評を読む »
怪人二十面相の秘話を描くアクションドラマ(70点)
© 2008「K-20」製作委員会
江戸川乱歩の子供向け推理シリーズに登場するダークヒーロー、怪人二十面相を主題にしたこのアクション映画は、お正月にぴったりな気楽な娯楽作となった。
この映画の批評を読む »
怪人二十面相をトンデモな方向へと向かわせる(55点)
© 2008「K-20」製作委員会
怪人二十面相をトンデモな方向へと向かわせる物語だが、格差社会が発展したパラレルワールドを舞台にしたのは面白い。サーカスの曲芸師・平吉は、謎の男の罠によって怪人二十面相として捕らえられる。令嬢・葉子とともに無実の罪をはらすため本物の二十面相を追うと、衝撃の事実が待っていた。このK-20は、走り、跳ね、空まで飛ぶアクション・ヒーローだ。闇の中で暗躍する義賊、あえて罪を被る決意など「ダークナイト」度が高いが悲壮感はゼロ。物語はユルユルだが、レトロなムードの活劇にはこのくらいでちょうどいい。とぼけた表情の金城武が、なりゆき型ヒーローにぴったりだ。