◆シリアスかつコミカル、本作でも映画監督ノア・バームバックの才能が光る(85点)
『イカとクジラ』や『マーゴット・ウェディング』で知られる映画監督ノア・バームバックの新作『GREENBERG』の主人公は無職の40歳、ロジャー・グリーンバーグ(ベン・スティラー)。ニューヨークの生活の中で精神的に疲れ果て病院に入院していた彼は、15年の後に出身地ロサンゼルスに戻り、とりあえずは職は探さず、しばらく休暇で家族とベトナムに行く弟フィリップ(クリス・メッシーナ)の豪邸の留守番役を受け持つ事にする。家の玄関のドアを修理したり、マメに苦情の手紙を書いたり、犬の世話をしたりしながら、旧友アイヴァン(リス・エヴァンス)やフィリップのパーソナル・アシスタントであるフローレンス(グレタ・ガーウィグ)らに会い、一度は去った土地に再び繋がりが芽生える。