◆飛び立つプロペラ機、疾走する特急、高速道路に覆われていない日本橋。静止した風景だけでなく、動く物体まで細密にCGで再現した技術力には目を見張る。しかし、そこで繰り広げられる人情劇は小ネタの羅列になってしまった。(50点)
滑走路から飛び立つ双発プロペラ機、西に向かって疾走する特急こだま、そしてまだ高速道路に覆われていない日本橋。静止した風景だけでなく、動く物体まで細密にCGで再現した映像表現の技術力には目を見張る。しかし、そこで繰り広げられる悲喜こもごも人情劇のスケッチは小ネタの羅列になってしまい、肝心となる物語の足を引っ張っている。登場人物をやたら多くしすぎた弊害か、おのおののエピソードがストーリーを構成する要素をなしていない。文学青年と恋人、孤児の3人に絞ればよいものを、焦点を拡散しすぎてだらだらとしたまとまりのない印象を受ける。
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(70点)
大ヒット映画の続編で一番気になるのは、今度こそ芥川賞を取ると奮起する茶川と、彼を愛する踊り子ヒロミとの行く末だ。新キャラは小粒でインパクトが薄いが、その分安心して見ていられる。母と初恋の人との再会、失った部下など、昭和30年代の復興の気運の中に残る戦争の影を上手く織り込んだ箇所を評価したい。茶川と淳之介の、血縁を介さない家族のつながりが、この物語を現代に絶妙に接続している。
昭和しあわせ博物館・第二幕(70点)
日々進歩するVFX。多くの映画監督はこれを未来世界など、見たことがないものを描くために使おうと考える。やがて一部の人々は、実在した過去を映像化するためにこそ、役に立つ技術だと気づく。しかしこのテクノロジーの専門家である山崎貴監督は、さらに一歩進んで、「どうせならその映像を最大のウリにしよう」と考えた。
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