浦沢直樹の大人気漫画の映画化・三部作のパート2(20点)
まだ2作目の段階でいうのもなんだが、『20世紀少年』実写版は、きっと20年後くらいに「そういや昔、スゲー変な映画があったよなぁ」と人々に懐かしく思い出される存在になるのではないか。
浦沢直樹の大人気漫画の映画化・三部作のパート2(20点)
まだ2作目の段階でいうのもなんだが、『20世紀少年』実写版は、きっと20年後くらいに「そういや昔、スゲー変な映画があったよなぁ」と人々に懐かしく思い出される存在になるのではないか。
目の中に人さし指を立てたイラストを描いたマスクの教祖が恐ろしく漫画的で、そこだけが異様な違和感を放っている。荒唐無稽な展開の連続にため息を漏らしている観客に対し「これは所詮マンガなんだよ」と言い訳しているようだ。(40点)
カルト教団に支配された近未来の日本、国民はますます従順になり信仰を深め、学校では歪んだ歴史観を植えつけて生徒を洗脳していく。そんな、社会が全体主義に毒されていく過程が非常に不気味だ。しかし、目の中に人さし指を立てたイラストを描いたマスクをかぶったままの教祖が恐ろしく漫画的で、せっかく実写映画にしているのにそこだけが異様な違和感を放っている。それは、リアリティのまったくない荒唐無稽な展開の連続にため息を漏らしている観客に対し「これは所詮マンガなんだよ」と言い訳しているよう。原作では象徴的なシーンということで許されるような描写も、映像にすると意味不明になる可能性もあると作り手は気づくべきだ。
本来は採点不能の状態(50点)
3部作の真ん中は、実にストレスがたまるもの。とりあえず平均点をつけたが、本来は採点不能の状態だ。今回は第1章の主人公ケンヂの姪カンナが中心となる。“ともだち”が救世主として崇拝されている2015年を舞台に、姿を消したケンヂの汚名をそそごうとするカンナの奮闘を描く。驚愕の真実はあまり明かされないが、オッチョの脱獄と“しんよげんの書”の登場が重要アイテム。カンナの出生の秘密をチラリと描きつつ、すべては第3章へ。幼児性の強いともだちの言動が不気味で、最終章の謎解きに期待がかかる。新人の平愛梨は演技は拙いが、キリリとした瞳は魅力的だ。カタルシスはエンディングのT.REXのテーマソングのみだが、ラストの予告編は必ず見ておこう。