国宝であるために実物を精査することはできず、資料と記憶だけで再現させなければならない。それはまるで大昔の職人たちが現代の名工たちに突きつけた挑戦状。道具は多少進化しているが、経験と指先の技術だけの真剣勝負だ。(60点)
玉虫の羽を2ミリ四方に切り、青・緑・赤の色ごとに分ける。それらをモザイク画のように1片ずつ貼り合わせて一枚の絵として完成させていくという気の遠くなるような作業で、1400年前の輝きを取り戻そうとする。しかも国宝であるために実物を精査することはできず、資料と記憶だけで再現させなければならない。それはまるで大昔の職人たちが現代の名工たちに突きつけた挑戦状だ。道具は多少進化しているが電子機器などまったく使えない世界での、経験と指先の技術だけの真剣勝負だ。