◆ワレンチン自身が実体験を通じて、愛の本質を見極めていく姿勢がいい(70点)
スターやヒーローは、遠くの人には愛されるが、近くの人には恨まれる。よく耳にする話だ。肥大化しながら世の中を一人歩きする自分の虚像と、現実の自分(実像)とのギャップが生み出す皮肉のようなものである。
◆ワレンチン自身が実体験を通じて、愛の本質を見極めていく姿勢がいい(70点)
スターやヒーローは、遠くの人には愛されるが、近くの人には恨まれる。よく耳にする話だ。肥大化しながら世の中を一人歩きする自分の虚像と、現実の自分(実像)とのギャップが生み出す皮肉のようなものである。
◆秘書の目を通して見たトルストイ夫妻の愛と、理想を追う側近たちの葛藤。そこにあるのは、自由を標榜する人間ほど目的の達成のためには他人の自由を制限するという皮肉だ。それは後の社会主義の独裁者に通じるものがある。(60点)
ベッドに伏せる文豪の様子を知ろうと、病院代わりとなった駅舎の周りにできた“記者村”。大勢の報道陣のために脈拍・血圧などの病状が定期的にブリーフィングされる。昭和末期にも日本で見られた光景だが、この物語の主人公・トルストイがいかに大衆の関心を集めていたかを雄弁に語るシーンだ。映画は、彼の秘書の目を通して見た老夫婦の愛と、理想を追う側近たちの葛藤を描く。そこにあるのは、自由を高らかに標榜する人間ほど目的の達成のためには他人の自由を制限するという皮肉。それは後にマルクス主義を拡大解釈し政権をほしいままにした社会主義の独裁者に通じるものがある。