狼の死刑宣告 - 渡まち子

平和的な普通の男が、激しい怒りで変貌していく様子がすさまじい(65点)

狼の死刑宣告

© 2007 HPE Rights, Inc.

 司法や警察に頼らず、自らの意志と圧倒的な暴力によって裁きを与える復讐劇を、ヴィジランテ(自警)映画と呼ぶ。“自分のことは自分でカタをつける”という自立自助の精神はアメリカ建国以来の理念だ。それが負の沸点に達した時、法を無視した復讐という形になる。家族と幸せな日々を送るニックは、大切な長男をギャングに殺されるが、裁判では犯人に納得のいく刑罰が与えられないことを知る。ニックは、怒りと悔しさから自らの手で報復するが、彼が殺した犯人はギャングのボスのビリーの弟だった。それはやがて凄惨な暴力の応酬を招いていく。

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狼の死刑宣告 - 佐々木貴之

◆男心を存分にくすぐらせてくれる(75点)

 チャールズ・ブロンソン主演の“デス・ウィッシュ”シリーズの第一弾でブロンソン映画の傑作として未だに人気の高い『狼よさらば』(74)の原作は、ブライアン・ガーフィールドの同名小説であり、その続編に当たる「Death Sentence」はシリーズの原作として映像化されなかった。だが、ブロンソン亡き後に映像化がやっと実現したのである。監督は、年一回のペースで世に送り出されている『ソウ』シリーズの生みの親であるジェームズ・ワン。

 投資会社勤務のヒューム(ケビン・ベーコン)は、ごく普通の真面目なサラリーマンであり、妻と息子二人の四人家族で幸せな生活を送っている。ある日、ヒュームはホッケーの試合を終えた長男ブレンダンを車に乗せて帰路に向かっている途中にガソリンが少なくなり、スタンドで給油をするが、その時、武装したギャング団がスタンドを襲撃する。ブレンダンはヒュームの目の前で首を刃物で切られてしまい、病院に搬送したものの死亡。連中は逮捕されたが、ヒュームは刑罰内容に納得できず、法の裁きを断念。ブレンダン殺しの張本人は釈放されてしまう。怒りに怒りを重ねたヒュームは、警察や法律といった手段を一切使わずに自らの手で連中を蹴散らすことを決意。復讐に燃える一匹狼となったヒュームの孤独な戦争が始まった。

 70年代前半から80年代半ば頃に多数製作されたヴィジランティ系アクション映画の雰囲気を再現させた本作は、単純明快でわかり易い上にかなり面白く仕上がっている。しかも男心を存分にくすぐらせてくれるのだからこんな作品を待っていたという男性には、持って来いだ。

 内容は、まさに『狼よさらば』に似通っている点も観られるが、アクション映画としての魅せ方は非常に秀逸であり、ド派手な爆破や激しいカーチェイスはないものの面白さをしっかりと味わえるように作られていることが何よりも良い。

 ヒュームが一人殺すと自身に危険がじわじわと迫り、それが更なる悲劇を招いてしまう。その後は面白さがヒートアップしていく。ブレンダンの革ジャンを着込み、頭を刈り、身も心も傷ついた復讐の狼、鬼、戦士として敵を追い求め、ショットガンで蹴散らしていく。ここで描かれる銃撃戦は、これぞスーパー・バイオレンス・アクションと呼ぶに相応しい描き方であり、強烈さを遺憾なく発揮している。しかもこれがかつての勧善懲悪系アクション映画のようにスカっと良い気分にさせてくれる。とにかく細かいことに拘ったり、ゴチャゴチャとツッコミを入れたりせずに素直に受け入れて楽しむべきだ。ようは、理屈抜きに楽しんだ者勝ちということなのである。

 アクションやバイオレンスも良いが、ケビン・ベーコンの姿も最高だ。先般公開された『96時間』も娘を拉致して傷物にした敵を相手にリーアム・ニーソン扮する元凄腕スパイのオヤジがハイテンションに大暴れするというアクション作品だったが、本作のケビンの暴走オヤジも良い味を発揮している。アクション面は、リーアムのオヤジは元凄腕スパイということでハードに描かれたが、本作のケビンのオヤジは普通の真面目なリーマンということで派手さは抑え目で丁度良い感じであるものの、それにしても少しやり過ぎているという感じもする。男臭さの面では、リーアムよりも遥かにケビンの方が勝っている。眉間にシワを寄せ、次第に寡黙な男へと変貌していく模様は、真の男への成長なのだ。しかも敵連中を蹴散らしていく姿からは、鶴田浩二や高倉健が活躍した一連の東映任侠ヤクザ映画や『ローリング・サンダー』(77)のウィリアム・ディヴェインを彷彿とさせ、これが面白さの一つだと捉えることもできる。とにかくアクションスターではないケビン・ベーコンのアウトロー系アクション映画のアンチヒーローは最高だと言いたい。

 古き良き時代の男性向け娯楽アクションの復活というべき本作は、アクション映画好き男児にはオススメだ!! と言うよりも絶対に観るべきだと言いたい!!

狼の死刑宣告 - 岡本太陽

『ソウ』の監督の最新作、ケビン・ベーコン主演(20点)

狼の死刑宣告

© 2007 HPE Rights, Inc.

 『ソウ』というサスペンス・ホラー映画といえば、もはや知らない人がいない程有名になってしまったが、もともとはインディペンデント映画の登竜門的存在のサンダンス映画祭で話題になった作品だった。アメリカ公開時も口コミで評判が広がり、公開の規模がどんどん広がっていった。続編も毎年の様に制作され、残忍なゲームを仕掛けるジグソウが登場するこのシリーズは今年4作目の公開を控えている。

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