妙に見応えがあるストーリー展開(60点)
小品なのに西島秀俊や加瀬亮と妙に豪華キャスト。貧乏臭くて地味なキャラばかりなのに、妙に見応えがあるストーリー展開。このアンバランスの中に小さな感動が隠されている。現実に真剣に対処できないでいる3人の若者がひょんなことから古アパートで暮らすことに。土地を売って借金を返そうとしていた主人公が、祖父とアパートの大家である老婦人の思いを知って、彼らの過去の大切な思いを受け止めていく。名女優香川京子の存在感は特筆。白い着物で窓辺に立つ美しさが目に焼きついた。この映画は、少しの勇気で冴えない人生にも温かい光が差し込むと、そっと告げている。