小池栄子の演技は鬼気迫る。(70点)
タレントから女優へ。こう表現したいほど小池栄子の演技は鬼気迫る。凶悪事件を通じ、犯人、OL、弁護士が出会い、奇妙な関係を築いていく。殺人犯の坂口の顔に、自分と同じ孤独を感じて接近するOL京子の、静かな狂気がすさまじい。終盤の驚愕の行動の後の接吻は、冷たかった世間を、彼女なりに辱めたのだろう。一方的に“わたしたち”と同化するヒロインの姿勢は正直ウザいが、奇妙な一途さが胸を打つ。秀逸な緊迫感が漂う作品だ。
小池栄子の演技は鬼気迫る。(70点)
タレントから女優へ。こう表現したいほど小池栄子の演技は鬼気迫る。凶悪事件を通じ、犯人、OL、弁護士が出会い、奇妙な関係を築いていく。殺人犯の坂口の顔に、自分と同じ孤独を感じて接近するOL京子の、静かな狂気がすさまじい。終盤の驚愕の行動の後の接吻は、冷たかった世間を、彼女なりに辱めたのだろう。一方的に“わたしたち”と同化するヒロインの姿勢は正直ウザいが、奇妙な一途さが胸を打つ。秀逸な緊迫感が漂う作品だ。
社会の底辺で感情の起伏を失いつつある男。自分を見下す世間への怒りを溜めて生きてきた女。女は男が見せた一瞬の笑顔にたちまち心を奪われる。映画は、難解な純文学の筆致のように生と死について語り、人生に疑問を投げかける。(70点)
社会の底辺に住むことに慣れ、そんな境遇に感情の起伏を失いつつある男。いつも自分を見下してきた世の中への怒りを胸の奥に溜めて生きてきた女。女は男が見せた一瞬の笑顔に同類のにおいを嗅ぎ取り、孤独な魂が引き寄せあってかなわぬはずの恋が始まる。運が悪い人生を送らざるをえなかった男と女、ふたりの心の深淵から初めて湧き上がる人のことを思いやる心理。その気持ちがふたりの間に溝を作っていくという矛盾。映画は、難解な純文学の筆致のように生と死について語り、人生に疑問を投げかける。
タイトルの意味が明らかになるとき、観客は大きなショックを受ける(65点)
こちらを不安にさせる不協和な音楽に、のっけから異様な緊迫感。何かとんでもない事がおきると予感させるドラマだ。最大の特徴は、誰もが予想だにせぬ凄まじい結末で、主演の小池栄子にとってはこの場面、間違いなく過去最高の演技と評される事になるはずだ。