新型インフルエンザ感染爆発か?(75点)
© 2009 映画『感染列島』製作委員会
最近、感染症に関する映画が増えている件について、危機管理の専門家、青山繁晴氏に聞いてみた。ちなみに氏は映画好きで有名だが、「映画界は(世の流れに)敏感なのではないか」と言っていた。ハリウッド映画業界が政治と強く結びついており、その最新情報を自らのコンテンツに生かしているのはよく知られているが、日本の映画界も徐々にそれに近づいてきたというわけか。そういう裏事情はちょいと想像しにくいが、ともあれ本作は予想以上のオープニング記録を打ち立て、関係者をほっとさせた。
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インフルエンザが流行している時期だからこそ、導入部は非常に身近に感じてしまう。ワクチン不足や院内感染等、現実の事例を巧みに取り入れ、ウイルスという脅威に対してマスクで予防することがいかに大切かを教えてくれる。(30点)
© 2009 映画『感染列島』製作委員会
インフルエンザが流行している時期だからこそ、導入部は非常に身近に感じてしまう。医者の誤診、ワクチン不足、院内感染等、現実に起きている事例を巧みに取り入れ、ウイルスという目に見えない脅威に対してマスクで予防することがいかに大切かを教えてくれる。だが、この作品から何らかの意義を見出すのはそこまで。人々がパニックになる様子はありきたり、医療関係者の頑張る姿も空回り。さらに後半の湿っぽいエピソードの連続が映画のスピードを完全に殺してしまい、スクリーンを見つめているのがつらくなる。
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画面から緊張感がさっぱり感じられない(40点)
© 2009 映画『感染列島』製作委員会
数ある災害の中でも、台風や怪獣より怖そうなのがパンデミック。物語は、未知のウィルスによってパニックに陥った日本で戦う人々の姿を描くものだ。風評被害やワクチン不在の中で心と身体が蝕まれていく過程は現実感があるが、画面から緊張感がさっぱり感じられない。全国に広がったはずの恐怖は伝わらず、院内の二次感染やワクチン開発の過程も安直で生ぬるい。登場人物は、戦場と化したはずの病院で、完璧に化粧して、無精ヒゲもはえず、髪の毛1本乱れていない。これのどこが未曾有の危機なのか。何よりも二人の恋愛パートや過去のいきさつなど不必要だ。物語はダレまくりなのだが、ウィルス災害の問題提起と、疑似体験映画としてサラリと見ておこう。