愛おしき隣人 - 渡まち子

ラストは唐突だが、監督なりの反戦メッセージだろう。(65点)

 確固たる自分の世界を持っている映画人とはロイ・アンダーソン監督のことだ。北欧のシケた街に住むシケた人々の、普通なのにヘンな日々を淡々とスケッチする。頑張って生きてるのにツイてない。そんな彼らに、ラストオーダーで「明日があるよ」と声をかけるバーテンダーの優しさが心に染みる。起承転結などもちろんなく、もしや夢かも?とさえ思える物語が妙に気になってしまう。ラストは唐突だが、監督なりの反戦メッセージだろう。

愛おしき隣人 - 福本次郎

そこに人がいる限り、物語は生まれる。語るべき相手がいれば自分の思いをぶつけ、愛する対象があれば同じ時間を共有したいと願う。そんな市井にあふれた人間の織り成す風景は、見る者に隣人に対する温かい気持を思い出させる。(60点)

 そこに人がいる限り、物語は生まれる。語るべき相手がいれば自分の思いをぶつけ、愛する対象があれば同じ時間を共有したいと願う。どこにでもあるような小さなハプニング。他人から見ればばかげたこと、小さなことも当事者にとっては一生を揺るがしかねない場合もある。そんな市井にあふれた小市民の織り成す風景を、退色させたうえに砂をまぶしたようなトーンのソフトな映像で活写する。各エピソードは前後の脈絡なく散文詩のようにちりばめられ取り留めのない印象を受けるが、カメラの視点はあくまでも優しさに満ち、ユーモアがあふれた語り口は見るものに隣人に対する温かい気持を思い出させる。

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