◆人情味あふれるエピソードを幾重にも編み込んだドラマ(70点)
1936年、第二次世界大戦前夜のフランス、パリ。多くの人に愛されてきたミュージック・ホール「シャンソニア劇場」は、不況のあおりを受けて業績が低迷。支配人が自殺してまう。劇場は不動産屋のギャラピア(ベルナール=ピエール・ドナデュー)に押さえられ、閉鎖に追い込まれる。劇場の裏方として人生を捧げてきたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は、妻に逃げられた挙げ句、職もなくしてしまった……。
◆人情味あふれるエピソードを幾重にも編み込んだドラマ(70点)
1936年、第二次世界大戦前夜のフランス、パリ。多くの人に愛されてきたミュージック・ホール「シャンソニア劇場」は、不況のあおりを受けて業績が低迷。支配人が自殺してまう。劇場は不動産屋のギャラピア(ベルナール=ピエール・ドナデュー)に押さえられ、閉鎖に追い込まれる。劇場の裏方として人生を捧げてきたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は、妻に逃げられた挙げ句、職もなくしてしまった……。
◆美女ドゥースの歌声は秀逸であり、最も魅力的だ(70点)
不況真っ只中の1936年、パリ。長年に渡って人々に愛されてきた下町のミュージックホール、“シャンソニア劇場”が経営不振から突然閉鎖することになり、裏方として働いていたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は当然の如く失職し、酒に溺れる日々を送ることになる。挙句の果てには保護者失格として息子ジョジョ(マクサンス・ぺラン)とも引き離されてしまう。愛息子を取り戻すべくピゴワルはかつての仲間たちとともに劇場再建に乗り出すが……。
歌手志望の娘・ドゥースが歌うナンバーが見事(70点)
音楽ものを得意とするクリストフ・バラティエ監督が描くのは、音楽を愛し生活に浸透させて生きるごく普通の人々。そのためか、まなざしがいつも温かい。1936年、第二次世界大戦勃発前夜、パリの下町の人々から愛されるミュージック・ホールのシャンソニア劇場は、経営不振で閉鎖されることに。幕引き係ピゴワルは、妻に逃げられた上、劇場が閉鎖になれば失業して愛する息子ジョジョとも引き離されるため、仲間と共に劇場を取り戻す決心をする。
◆雪化粧をほどこした石畳、背景にエッフェル塔を従えたメトロの駅、狭い階段と肩を寄せ合うように立つアパルトメント。名もなき下町で寝起きし、そこで働く人々の、人生そのものが凝縮されたようなパリの香りが強烈に漂ってくる。(70点)
うっすらと雪化粧をほどこした石畳、背景にエッフェル塔を従えたメトロの駅、狭い階段と肩を寄せ合うように立つアパルトメント。名もなき下町、そこで寝起きしそこで働く人々の、人生そのものが凝縮されたようなパリの体温が強烈に伝わってくる。それはお高くとまった香水の匂いではなく、庶民の労働が発する体臭ような泥臭さ。映画は夢と友情、恋と家族といった人情味あふれる人間模様を描きつつ、戦争とファシズムの影におびえるパリジャンたちの姿を活写する。彼らが演じる大衆芸能は文化の香りすら漂わせ、どんなに貧しくても心の余裕を失わないフランス人の誇り高さを感じさせる。