犯人の心情がリアル(60点)
誰でも被害者・加害者の両方になりえるひき逃げという題材が、物語を身近にする。幼い息子を奪われたイーサンと犯人ドワイトの苦悩を描くが、双方が意外な形でつながっているのが運命の皮肉。罪を隠したい、いや、いっそ告白して楽になりたいと両方の思いに引き裂かれる犯人の心情がリアルだ。常にあるのは家族への愛情。だが、ひき逃げなど日常茶飯事とばかりのおざなりな警察の対応から、最終的に良心に訴える選択は甘い気もする。
犯人の心情がリアル(60点)
誰でも被害者・加害者の両方になりえるひき逃げという題材が、物語を身近にする。幼い息子を奪われたイーサンと犯人ドワイトの苦悩を描くが、双方が意外な形でつながっているのが運命の皮肉。罪を隠したい、いや、いっそ告白して楽になりたいと両方の思いに引き裂かれる犯人の心情がリアルだ。常にあるのは家族への愛情。だが、ひき逃げなど日常茶飯事とばかりのおざなりな警察の対応から、最終的に良心に訴える選択は甘い気もする。
加害者が感じる良心の呵責、被害者遺族が抱くやり場のない怒り。突然の交通事故が、普通の人々日常をまったく違う世界に変えてしまう。双方のくすぶる感情を非常にリアルに再現し、どちら側の登場人物にも共感を覚えてしまう。(60点)
加害者が感じる良心の呵責、被害者遺族が抱くやり場のない怒り。突然の交通事故が、普通の人びとのありふれた日常をまったく違う世界に変えてしまう。怯えながら暮らす加害者はあらゆることに敏感になり神経の休まる間がなく、憎悪に燃える被害者の父は誰を見ても犯人に思えて余裕をなくしてゆく。普段死や苦しみと無縁に暮らしていても、いつ当事者になるか分らない。双方がトスされたコイン表裏のように交互に顔を見せるという構成が、くすぶる感情を非常にリアルに再現し、どちら側の登場人物にも共感を覚えてしまう。
映画『ホテル・ルワンダ』のテリー・ジョージ監督最新作(50点)
2004年にアメリカで公開された『ホテル・ルワンダ』という映画がある。ドン・チードル主演のこの映画はルワンダで実際に起きた民族大虐殺事件を描いていた。忘れてはいけないこの悲劇は観るものに大きな衝撃を与えた。わたしもこの映画を観た時にホラー映画以上の恐怖を味わった。