凄惨なまでの血のイメージがこの映画全体を女の歪んだ情念に染めていく。おなかの子だけは守ろうとする母親の強さと、その子を奪おうとする女の執拗な狂気。それらがシャープな映像とライティングで強調され、恐怖が増幅される。(60点)
傷口から流れる血、血管から噴き出す血、内臓から染み出る脂混じりの血・・・。凄惨なまでの血のイメージが、この映画全体を女の歪んだ情念に染めていく。おなかに宿る自分の子だけは守ろうとする母親の自覚を持った女の強さと、その子を奪おうとする女の執拗な狂気。それらがシャープな映像と陰影の濃いライティングで強調され、ヒロインが体験する恐怖が増幅される。黒い衣装に身を包んだベアトリス・ダルが死神のような殺人鬼をクールかつ不気味に演じている。