© 2010 映画「半分の月がのぼる空」製作委員会
◆ベストセラー小説の映画化である本作は、いわゆる難病もの。またか…と思っていたら後半に意外な仕掛けがあって驚いた(65点)
ドラマやアニメで人気のベストセラー小説の映画化である本作は、いわゆる難病もの。またか…と思っていたら後半に意外な仕掛けがあって驚いた。そのことにより青春恋愛映画から、長い年月を懸命に生きた人間ドラマにシフトする。平凡な高校生の裕一は退屈な入院生活を送る病院で、心臓病を患う少女・里香と出会う。最初は里香のわがままに振り回されるが、次第に彼女に惹かれていく裕一。9歳の頃から病院で暮らし、「銀河鉄道の夜」を愛読する孤独な里香もまた、外の世界を見せてくれる裕一に好意を持つ。一方、病院の医師の夏目は、医者でありながら最愛の妻を救えなかった過去に縛られていた…。
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◆思いが純粋なほど喪失感は深く、時間がたつほど自責の念が強くなる。少年と難病の少女の恋という手垢の付いたテーマながら、不器用でも懸命に体当たりする高校生ならではのまっすぐな感情をノスタルジックな映像に焼きつける。(70点)
その思いが純粋なほど喪失感は深く、時間がたつほど自責の念が強くなる。好きな気持ちに素直になれない出会いのころから、一緒にいるだけでときめいて仕方のない時期を経て、やがてつらい別れの後に悲しい記憶として胸の重しとなっていく。映画は、少年と難病に侵された少女の恋という手垢の付きすぎたテーマながら、不器用でも懸命に体当たりする高校生ならではの感情を、ノスタルジックな映像に焼きつける。主人公のまっすぐに人を思いやる姿が何の衒いもなく描かれ、過ぎ去った青春の日々を思い出させてくれる。
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◆少年少女の難病と恋愛を描く青春映画だが、映画ならではの叙述トリックが驚きの展開を見せる。(85点)
単なる少年少女の難病・恋愛を描いた青春映画だと思っていたら、びっくりさせられる。見事な叙述トリックが使われているのである。それが単に驚かせるだけでなく、クライマックスの感動につながっているのが素晴らしい。
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