主人公の心に去来する、人命を奪ったという呵責。たとえそれが仕事であったとしても、死にゆく受刑者の断末魔の痙攣や体温の感触は決して消えない記憶となって彼に付きまとう。映画は、刑務官の心理を通じて、命の重さを問う。(60点)
家族水入らずの旅に出かけたのに、どこか浮かない顔の男。荷物を降ろす音に怯え、妻と距離をとってしまい、子どもとの間もどこかぎこちない。男の心に去来する、人命を奪ったことに手を貸したという呵責。たとえそれが仕事であったとしても、死にゆく受刑者の断末魔の痙攣や体温の感触は決して消えない記憶となって彼に付きまとう。映画は、合法的な殺人が認められた現場に立ち会う人びとの心理を通じて、命の重さを問う。