結婚、転職、出産・・・家族の歴史にずっと寄り添ってきた一匹の犬が、飼い主に与えたものは「愛する心」。映画は、犬の気持ちを完全に理解できるわけはないというスタンスで、「犬目線」を交えずに主人公の夫婦の視点を貫く。(60点)
© 2008 TWNTIETH CENTURY FOX
結婚、転職、出産、昇進、さらに増える家族、そしてキャリアアップ・・・・・・ひとつの家族の歴史にずっと寄り添ってきた一匹の犬が、飼い主に与えたものは「愛する心」。人間に忠実にあろうとするが、時に本能を抑えきれずに暴走するデキの悪い犬でも、節度を持ってかわいがってやれば必ず応えてくれる。映画は、犬の気持ちを分ってやろうとするが完全に理解できるわけはないというスタンスで、「犬目線」を交えずに主人公の夫婦の視点を貫く。いたずらにお涙頂戴にしないところがよかった。
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あたたかい物語(60点)
© 2008 TWNTIETH CENTURY FOX
問題児ならぬ問題犬に悪戦苦闘しつつ主人公が成長する、あたたかい物語だ。ラブラドール・レトリバーのマーリーは、家中をメチャメチャに荒らす困った犬だが、いつしかかけがえのない家族になっていく。やんちゃ犬・マーリーを飼うことを子育ての予行練習とすることは、案外奥深い方法だ。なぜなら、マーリーのしつけがうまくいかないことと同様に、子供を“飼いならす”ことなど無理だし、してはいけないことなのだから。なのに、マーリーが育児に与えたであろう影響はほとんど描写されないのが残念。動物好きの私としてはマーリー自身の心情を知りたいところだが、犬を擬人化しないことがこの作品のクレバーなところである。マーリーとの別れの場面は思わず涙した。