◆和解という道を最初から捨てている好戦的な内容は宗教もへったくれもなく、ひたすらアクション映画の道を行く(50点)
大天使ミカエルが神を裏切り、人類のために地上で壮絶な戦いを繰り広げるという、ありがたいのか迷惑なのかビミョーな宗教映画は、かなりの珍作アクション・スリラーだ。モハベ砂漠のさびれたダイナーで、客の老女が突然怪物に変身し、店は虫の大群に取り囲まれる。信じがたい現実に店主や息子、客たちは恐怖におびえるが、そこに大量の武器で武装した男が現れる。名前は“マイケル”だと告げた彼は、実は、人類を見捨てた神の命令に背き、ただ一人、人間に味方した大天使ミカエルだった。やがて恐ろしい戦いの幕が切って落とされる…。
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◆「キリシタン・アクション」認定第2弾(第1弾は「ザ・ウォーカー」)。天使の軍団と人類との戦いを描いているが、スケールは実に小さい(66点)
キリスト教は文化として全世界に広がっている。キリスト教的な世界観をバックグラウンドとしない映画を探す方が難しいだろう。しかし、キリスト教そのものをテーマとしたアクション映画は、それほど多くないと思う。本作や「ザ・ウォーカー」(2010)を見て、「キリシタン・アクション」というジャンル名を提唱したくなった。なぜ「クリスチャン・アクション」ではないのかというと、普通の日本人には納得しがたいテーマを扱っている「違和感」を、江戸時代のキリスト教という「異質なもの」の呼び方で表現したかったのだ。
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