歌の世界観がわかりやすいのが嬉しい(70点)
物語のある音楽ドキュメンタリーで非常に映画的なライブが体験できる。名盤「ベルリン」を33年ぶりに全曲披露したルー・リードのステージをジュリアン・シュナーベルが無駄のない演出で作品化。全編に歌詞の対訳が付くので歌の世界観がわかりやすいのが嬉しい。独人娼婦キャロラインと彼女に暴力をふるうジム、語り部である“俺”の3人が、東西に分裂したベルリンの街で繰り広げる愛の悲劇を歌うという構成がユニークだ。さらに物語をシュナーベルの娘ローラがショートフィルムにした映像がライブに絡む形で披露され、幻想的なアートさながら。これは音楽、映画、そして詩だ。