◆山奥のやせ細った土地の農家が直面する厳しい実態を、ひたすら農民たちへの聞き取りという構成で明らかにしていく。エコロジーやスローライフなどの耳に心地よい言葉は一切なく、農村への憧れなど所詮は幻想であると喝破する。(50点)
山奥のやせ細った土地にしがみつくように農家の人々は暮らしている。耕作地も牧草地も少ないためにスケールの小さな農業しか展開できず、事業としては先細りするばかり。家族の結びつきを大切にし地元を守ろうとしているにもかかわらず、未来に明るい展望を抱けず後継者不足も深刻。そんな農業従事者が直面する厳しい実態を、ひたすら農民たちへの聞き取りという構成だけで明らかにしていく。エコロジーやロハス、オーガニックやスローライフなどの耳に心地よい言葉はここでは一切口にのぼることはなく、農村への憧れなど所詮は広告会社が作り出した幻想であると喝破する。