◆トニー・ジャーという稀代のアクション俳優の超人的な身体能力の限界に挑戦することに最優先し、エピソードは付け足しに過ぎない。命がけの格闘シーンの連続に“ものすごい映像を見た”という満足感を得られるのは間違いない。(70点)
剣道、カンフー、ムエタイ、総合格闘技、そしてナイフを使ったゲリラ戦術まで、あらゆる武術において達人の域に達した主人公の肉体的パフォーマンスには圧倒される。さらに群れをなす象の背中を自在に走り回り、心をつかんでしまうなど動物ですらひれ伏せさせてしまう精神面での充実も描かれる。映画は、トニー・ジャーという稀代のアクション俳優の超人的な身体能力の限界に挑戦することに最優先し、エピソードは付け足しに過ぎない。それでもCGに頼らない命がけのシーンの連続に “ものすごい映像を見た” という満足感を得られるのは間違いない。
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◆個別の動きは素晴らしいが……(55点)
『マッハ!』(03年)で世界のアクション映画ファンに衝撃を与えたトニー・ジャーも、気づいてみればはや33歳。類まれなる運動能力も、ほうっておけば陰りが見えだす年齢である。
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◆「マッハ!」「トム・ヤム・クン!」でアクション映画の歴史を変えたトニー・ジャーが、今回も人跡未踏の領域に踏み込んだ。次々と繰り出されるアクション場面は圧倒的に凄いが、これは「前編」に過ぎない。話が完結していないのだ(88点)
トニー・ジャーは、ジェット・リー、ジャッキー・チェンと並び、現代のアクション俳優の中で最高峰の一人だろう。「マッハ!」(2003)「トム・ヤム・クン!」(2005)の両作では、これまで見たことがないハイレベルなアクションに、本当に驚いた。この新作は、「マッハ!」の続編のようなタイトルだが、前作と話は別物だ。今度は、日本人町があり、山田長政も住んでいたというあのアユタヤ王国(1351?1767)の時代が舞台で、クンフー映画だが歴史ファンタジーの要素もある。
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