ホルテンさんのはじめての冒険 - 福本次郎

苦虫を噛み潰したような表情を終始変えず、感情を殺して生きているような主人公がふとしたきっかけで日常を踏み外していく。映画は彼の姿を通して、小さな驚きと新しい出会いが人生を豊かにしてくれるということを静かに語る。(50点)

ホルテンさんのはじめての冒険

© 2007 COPYRIGHT BulBul Film as ALL RIGHTS RESERVED

 苦虫を噛み潰したような表情を終始変えない謹厳実直な男。数十年もの間、時間を厳守する仕事についているうちに、感情を殺して生きる術を身につけたのだろう。どんなときも運行スケジュール優先、自己の都合など後回しにしてきた結果、真面目なだけがとりえの面白みのない人間になってしまった。そんな主人公がふとしたきっかけで日常を踏み外していく。それは他人から見ればほんの一歩に過ぎないが、彼にとっては冒険にも等しい大きな体験。映画は内面から変化していく老人の姿を通じて、小さな驚きと新しい出会いが人生を豊かにしてくれるということを静かに語る。

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ホルテンさんのはじめての冒険 - 渡まち子

少ないセリフととぼけた“間”が味わい深い(65点)

ホルテンさんのはじめての冒険

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 少ないセリフととぼけた“間”が味わい深いノルウェー映画だ。爆笑ではなくクスリと笑わせる演出は、同じ北欧のアキ・カウリスマキに通じるもの。鉄道一筋、きまじめなホルテンさんは定年退職の日に遅刻をしてしまう。人生初の事件をきっかけに彼の冒険が始まった。ヘンテコな登場人物が次々に現われるが、目隠しドライブが得意技の老人との出会いが特に秀逸。「人生は手遅ればかり。だが逆に考えれば何でも間に合う」のセリフには勇気付けられる。一見、癒し系だが、根底に死と孤独が漂う物語は非常にシビアなもの。ラスト、主人公に小さな幸せが訪れる予感が嬉しい。

ホルテンさんのはじめての冒険 - 町田敦夫

◆生真面目な初老の男が抱腹絶倒の冒険へ(80点)

 「判で押したような人生」という表現は、どちらかといえば自嘲的なニュアンスで使われることが多いけど、雇用環境がこれだけ悪化してくると、「判で押したような人生」を送れる人はむしろ幸せなのではないかしらんと思えてくる。本作の主人公のホルテンさんも、ノルウェー鉄道の運転士として、つましくも規則正しい毎日を送っていた。ところが定年退職の前日になって、彼の人生は予想もしなかった脱線をし始めて……。

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