自然や人工の風景は絵葉書を切り取ったような美しさ。天国に一番近い島、人は死と近くにあるけれど、決して恐れておらず、しばしの別れと受け止めている。だが、ゆったり流れる時間と同様、そこで描かれる物語は起伏に乏しい。(40点)
© 2009 フジテレビジョン/電通/ROBOT
透き通った海、抜けるような青空、濃い緑。そういった自然のほかに映画館や商店、ただの道路や古い自動車といった人工の風景すら絵葉書を切り取ったような美しさ。天国に一番近い島、人は死と近くにあるけれど、決して恐れているわけでもなく、しばしの別れと受け止めている。だが、ゆったりと流れる時間と同様、そこで描かれる物語も起伏に乏しく、主人公と同様退屈な日常をぶらぶらしているだけ。そもそも彼がなぜこの街に流れてきたのか、過去も現在も不明の若者では魅力を感じない。
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老女のキモい恋心などかんべんしてと言いたくなる(30点)
© 2009 フジテレビジョン/電通/ROBOT
南の島の空気とおいしい食べ物で癒されたい。そんな願望がバーチャルでかなうユルい作品だ。この展開ですぐに思い浮かぶのは「めがね」あたりか。彼女にフラれたレオは大学を休学してハワイ島の北のホノカアで暮らし始める。そこは“伝説の虹”がかかる時、願いがかなうという場所だが、住人は風変わりな老人ばかりだった。一応、青年の成長物語のスタイルだが、こんなかったるい生活で大人になれるなら苦労はない。倍賞千恵子演じる老女のキモい恋心など、かんべんしてと言いたくなる。蒼井優や深津絵里など、むやみに豪華なゲストを見ながら、まったりするにはいいだろう。