◆B級娯楽映画のツボをしっかりと押さえられている(60点)
アメリカの有名な暴走族“ヘルズ・エンジェルス”の影響で、1960年代末から70年代初期にかけて多数のバイカー・アクション映画が製作された。中でも有名なのは、やはり『イージー・ライダー』であり、その他の作品は単なるB級娯楽映画として映画史から忘れ去られていったのである。日本ではこれらの作品は殆どが未公開であり、劇場公開及びDVDやビデオ化された作品はごく一部である。そんな日本でもこの手の作品が70年代に製作され、岩城滉一主演の『暴走族』シリーズや暴走族“ブラック・エンペラー”の実態に迫ったドキュメンタリー『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』(76)は、意外と知名度が高い。
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大排気量・チョッパーハンドルのハーレーにまたがった暴走族風の男たちは酒と女と暴力を生きがいにスロットルをふかす。男の体臭が感じられるような映像はマカロニウエスタンへの強烈な憧憬だが、キャラクターがあまりにも単純だ。(40点)
大排気量・チョッパーハンドルのハーレーにまたがった暴走族風の男たち。酒と女と暴力を生きがいにスロットルをふかす。彼らが荒野の道を走る目的は何なのか、どうやって生計を立てているのか、そういった生活臭は一切排除して、ただ男の体臭が感じられるような映像に終始する。そこに感じられるのはマカロニウエスタンへの強烈な憧憬。サボテンだらけの砂漠とうらぶれた酒場、そしてはるかな時を経た復讐は容赦なく敵を殺し、床や天井に血しぶきを撒き散らす。だがキャラクターがあまりにも単純で、これでは現代の観客を納得させることはできない。
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作品を支えるのはバイク、ドラッグ、セックスの3点のみ(30点)
60年代に大挙して作られていたバイカー・ムービーの再現だが、製作総指揮のタランティーノの「グラインドハウス」2部作の姉妹編のような趣だ。対立する2つのバイカー・チームの争いと、過去の因縁にからむ復讐を描くというストーリーが一応あるものの、作品を支えるのはバイク、ドラッグ、セックスの3点のみ。すべてがデフォルメされているが、特に登場する女性たちのルックスがスゴい。これはきっとバイク野郎の妄想のヴィジュアル化なのだろう。過剰な露出とお色気で、話の筋など軽く無視して体をクネらせる。徹底したB級センスに潔さを感じるが、あくまでも駄作として楽しむのがこういう映画への正しい礼儀というものだ。ラスト、デニス・ホッパーの“復活”が笑える。
◆確信犯的なニオイがぷんぷんする作品(60点)
ビストレロ(ラリー・ビショップ)が率いるバイカー・チーム"ヴィクターズ"は、敵対するチーム"シックス・シックス・シックス"に仲間を殺される。ピストレロは、仲間のジェント(マイケル・マドセン)、コマンチ(エリック・バルフォー)らと復讐を決意。敵のアジトに乗り込み、さらに、敵のリーダーを追って旅に出る……。
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