フローズン・タイム - 渡まち子

物語より映像美が記憶に残る小品。(65点)

 一流フォトグラファーの初長編監督作らしく、物語より映像美が記憶に残る小品。失恋の痛手から不眠症になった美大生が新たな恋に出会う物語だ。一瞬時間を止めて周囲を観察し、絵を描くという設定がユニークだが、フリーズのタイミングに統一感がないのが残念。夢と現実、美と醜悪が混じり合うのは、主人公が起きたまま夢を見ているという意味だ。映像センスは抜群で、ヌードもどこかアートのよう。特にラストシーンの美しさには息をのむ。

フローズン・タイム - 福本次郎

時間を止めて自分だけは自由に動き回る。それは不眠症の頭が生み出した幻想、しかし主人公にとってはきわめてリアルな出来事だ。失恋の痛手と朦朧とした意識が生み出すインスピレーション、それが斬新なアートに昇華される。(50点)

 周りの時間を止めて自分だけは空間を自由に動き回る。凍りついたような人々の間をすり抜け、女性の服を脱がせて、ひたすらペンを走らせる。それは不眠症の頭が生み出した幻想、しかし主人公にとってはきわめてリアルな出来事だ。失恋の痛手と朦朧とした意識が生み出すインスピレーション、それが創作への情熱に転化されるとき斬新なアートとして昇華される。ただ、心の持ち方しだいで時の流れはスピードを変えることを描写しようという試みは理解できるが、頻出する時間を止めるシーンに撮影上の工夫が乏しく単調になっている。もっと刺激に対して鋭敏になったり鈍感になったりする感覚を味あわせて欲しかった。

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