端正な顔立ちと華奢な体、遠くを見るようなつぶらな瞳。チワワの愛らしさを押し出しながらも、飼い主に甘やかされ放題の性悪ペット。ドレスを着せられた上に靴まではかされて毎日エステ三昧、まさに「犬は飼い主に似る」のだ。(60点)
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端正な顔立ちと華奢な体、遠くを見るようなつぶらな瞳はつい抱きしめたくなる。チワワの愛らしさを前面に押し出しながらも、演じる役割は飼い主に甘やかされ放題の性悪ペット。ドレスを着せられた上に靴まではかされて美容室で毎日エステ三昧、雑種犬だけでなく人間まで見下した態度をとる。そんな犬の気持ちを人間の言葉でしゃべらせた脚本が秀逸。犬の考えをリアルに伝える一方で、愛犬家の誤った接し方が犬たちにいかに悪影響を与えているかを痛烈に皮肉っている。まさに「犬は飼い主に似る」のだ。
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ストーリーがかなり手抜き(45点)
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動物に服を着せるべからず!という項目を動物愛護法に加えてほしいと、本気で思っている私としては、このセレブ犬の格好はどうにも許せないのだが、それはさておき。ビバリーヒルズで贅沢に暮らしていたチワワ犬クロエが旅行先のメキシコで迷子、誘拐、サバイバルと大冒険を繰り広げながら成長する。いつもスキのない脚本で勝負してくるディズニーにしては、ストーリーがかなり手抜き。犬のクロエと飼い主の姪レイチェルは成長するが、肝心の飼い主には何の変化もない。所詮飼い犬のクロエの生活は変わらないだろう。物語に不満があるが、犬たちの表情は、驚くほど愛くるしく真剣そのもの。トラウマを抱え傷ついた元警察犬のシェパードの哀愁の表情にグッときた。チワワの大集会の場面は圧巻。チワワは世界最小の犬種ながら、性格は大胆で勇敢なのだ。
◆単なる動物映画を超えるデキだが、あざといCGはビミョー(80点)
「子供と動物には勝てない」というのは映画界の通説。あどけない子供や、愛くるしい愛玩動物がスクリーンに映ろうものなら、たちまち観客は相好を崩す。ただ、子供や動物のかわいさだけで客が呼べる映画というのは、往々にしてキャラクターは平板、ストーリーはグズグズという代物になりがちだ。『ビバリーヒルズ・チワワ』は、その点、2つの意味で「動物映画」ではない。
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