◆殺し屋としてのポリシーや威厳、美学がまったく感じられない(30点)
舞台はタイのバンコック。自分に課したルールを遵守しながら、暗殺者としてこれまで完璧に仕事をこなしてきたジョー(ニコラス・ケイジ)だったが、暗殺者としての能力が低下する前に引退しようと、ある組織から最後の仕事となる4件の暗殺依頼を受ける。ジョーは地元のチンピラのコン(シャクリット・ヤムナーム)を手下に雇うが……。
◆殺し屋としてのポリシーや威厳、美学がまったく感じられない(30点)
舞台はタイのバンコック。自分に課したルールを遵守しながら、暗殺者としてこれまで完璧に仕事をこなしてきたジョー(ニコラス・ケイジ)だったが、暗殺者としての能力が低下する前に引退しようと、ある組織から最後の仕事となる4件の暗殺依頼を受ける。ジョーは地元のチンピラのコン(シャクリット・ヤムナーム)を手下に雇うが……。
高額の報酬と引き換えに得るものは究極の孤独。それは一匹狼の殺し屋として暗殺の成功率を100パーセントに保つために自らに課した掟だ。喧騒と排気ガス、悪徳と暴力に満ちた街、バンコックの瘴気が主人公の計算を狂わせていく。(50点)
一瞬も気が休まる時はなく、胸のうちを打ち明ける相手もいない。高額の報酬と引き換えに得るものは究極の孤独。それは一匹狼の殺し屋として暗殺の成功率を 100パーセントに保つために自らに課した掟だ。しかし、そんな男が弟子を取り、堅気の女に心を奪われたとき、精密機械に誤差が生じるかのごとく運命が暗転。喧騒と排気ガス、悪徳と暴力に満ちた街・バンコック、その瘴気が主人公の計算を狂わせていく。守るべきものができるということは、エネルギーの源となる一方で弱点にもなるのだ。映画は愛と情ゆえに身を滅ぼしてゆく男を通じて、銃弾と血にまみれた死の美学を描く。
大人の男のための、本格ハードボイルド(85点)
いつも一人だからさびしいけど、世界中に出かけられて、報酬はいい。ニコラス・ケイジ演じる男がそんな風に自分の仕事を紹介する場面からはじまる本作。そんな仕事があったら応募が殺到しそうだが、その業務内容はひとごろし。『バンコック・デンジャラス』は、引退を願う殺し屋の苦悩と恋心を描く、大人の男のためのハードボイルドである。
ワケが分からない(30点)
パン兄弟の「レイン」をセルフ・リメイクしたものだが、オリジナルよりアクション重視の作品となった。引退を考えている凄腕の殺し屋ジョーは、バンコクで最後の仕事である4件の殺しを請け負うが、ひとつの迷いが彼の人生を変えていく。冒頭からジョーが自らに課すルールが紹介されるが、そのルールがいともあっさりと破られ続ける展開に唖然。ついていけない…と思った頃に思い出したようにルールを復唱し観客をスベらせる。他人とかかわらないと言ったその舌の根も乾かぬうちにカタギの女性とつきあったり、通訳に情をかけたりと、ワケが分からない。こんなにプロ意識の乏しい殺し屋がいたもんだろうか。バンコクの街を疾走する、バイクや水上ボートでのアクション・シーンはなかなか見応えがある。主人公の行動に説得力がない分、猥雑な街の空気が主役になった。
◆人間的魅力を描いている点は大きく認めたい(70点)
パン兄弟(オキサイドとダニー)が撮り上げたタイ映画『レイン』(00)を、設定に変更を加えてハリウッドでセルフリメイクしたハードボイルド系サスペンス・アクション。