◆綿密にドラマを練り上げた脚本家には、最大級の賛辞を送りたい(95点)
おもちゃにとびきり魅力的な個性を与え、彼らの日常(人間の目が行き届かない時間帯)をユーモアたっぷりに描くピクサー製作の「トイ・ストーリー」(第1作は1995年/第2作は1999年)。そんな人気アニメシリーズが11年ぶりに送り出した第3弾は、持ち主アンディとおもちゃ、双方向の「卒業」を描いた物語だ。
◆綿密にドラマを練り上げた脚本家には、最大級の賛辞を送りたい(95点)
おもちゃにとびきり魅力的な個性を与え、彼らの日常(人間の目が行き届かない時間帯)をユーモアたっぷりに描くピクサー製作の「トイ・ストーリー」(第1作は1995年/第2作は1999年)。そんな人気アニメシリーズが11年ぶりに送り出した第3弾は、持ち主アンディとおもちゃ、双方向の「卒業」を描いた物語だ。
◆無邪気な子供の想像力の中で命と物語を与えられ、その使命を果たすおもちゃたち。彼らの冒険と人間との関係のなかで、持ち主の思い出がしみついたおもちゃは心を持っていると思わせるほど、豊かな感情が描き込まれている。(70点)
見渡す限りの平原で列車強盗と闘う保安官が宇宙人に囚われる・・・。無邪気な子供の想像力の中で命と物語を与えられ、その使命を果たすおもちゃたち。持ち主が成長するにつれ役割を終えた彼らはゴミとなるか、物置に放り込まれるか、いずれにしてもおもちゃは持ち主が大人になったら必要とされなくなる。そんな、自分たちが「価値のないもの」のレッテルを張られてしまったと誤解するおもちゃたちが哀れだ。彼らの冒険と人間との関係のなかで、持ち主の思い出がしみついたおもちゃは心を持っているのではと思わせるほど、豊かな感情が描き込まれている。
◆おもちゃを捨てられなくなるシリーズ3(95点)
ピクサー製作のアニメーションは、頭ひとつ以上抜き出た脚本力により、もはや10割打者といってもいいほどの傑作率を誇る。その作品群は原作ものではないオリジナルにこだわった企画ばかりだが、中でも「トイ・ストーリー」は記念すべき第一作。社のアイデンティティーといってもいい、スタッフ全員の夢を託した渾身の一本だったわけだ。
◆おもちゃの再出発というエモーショナルな展開で大人を泣かせる傑作。さよならの涙はこんなにも温かい。(85点)
おもちゃの持ち主アンディは大学生に。屋根裏に行くはずだったおもちゃたちは、手違いで託児施設に寄付されてしまうが、そこは凶暴な子供たちがいるトンデモナイ場所だった。カウボーイ人形のウッディはアンディの元に帰ろうとするが、残ったバズやジェシーら仲間たちに危機が迫っていることを知る…。
◆あのピクサーの名作アニメが11年振りに帰って来た!(80点)
本編よりも面白いのではと思わせられた1999年『トイ・ストーリー2』の約5分間のオープニングシーン。スターウォーズを思わせる凝った演出で冒頭からわたしたちは心を鷲掴みにされてしまったが、11年の後に3D映画としてスクリーンに登場する事になったシリーズ最新作『トイ・ストーリー3(原題:TOY STORY 3)』ではちょっとハラハラする西部劇風のオープニングで物語の幕を開ける。ウッディ(トム・ハンクス)、バズ・ライトイヤー(ティム・アレン)、ジェシー(ジョアン・キューザック)、ミスター&ミセス・ポテトヘッド(ドン・リックルズ&エステル・ハリス)、ハム(ジョン・ラッツェンバーガー)やレックス(ウォーレス・ショーン)といった主要キャラクターを総登場させるこのオープニングはまさにピクサーの余裕を感じさせる。