細密に再現された飛行機の金属の質感と対をなすように、登場人物が織りなす物語は輪郭がぼやけている。まるで操縦桿を握っている間だけが現実であるかのような若者の思いを通じて、生きることの切なさと命のはかなさを描く。(40点)
© 2008 森 博嗣/『スカイ・クロラ』 製作委員会
細密に再現された飛行機の金属の質感だけでなく、空中戦で被弾した機体、主人公が目にする雲海や地上の風景などが実写以上のハイパーリアルな映像で表現される。その対をなすように登場人物が織りなすエピソードは輪郭がぼやけている。まるで操縦桿を握っている間だけが現実であるかのような若者たちの思いを通じて、生きることの切なさと命のはかなさを訴えようという試みは理解できるのだが、彼らは感情があるように見えるが所詮「ゲームのキャラ」、要するに Wii用フライトシューティングゲームソフトの世界観を観客に体感させようとするタイアップ商法なのだ。
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伝えたいのは希望。難解さを排除したストーリーは、押井アニメ初心者にもおすすめだ。(85点)
© 2008 森 博嗣/『スカイ・クロラ』 製作委員会
思春期のままで永遠に生き続ける子供“キルドレ”により、ショーとしての戦争が行われる時代。戦闘機のパイロットで、新しく前線基地に赴任してきたユーイチは、元エース・パイロットの女性指揮官スイトと出会う…。
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押井守監督が現代の若者に送るメッセージ(60点)
© 2008 森 博嗣/『スカイ・クロラ』 製作委員会
宮?駿監督の『崖の上のポニョ』が話題だが、今夏はもう一方の巨匠・押井守の新作も登場。今回彼が手がけたのは森博嗣原作の『スカイ・クロラ』シリーズのアニメ化。このシリーズは作中の時系列と出版順序が一致していないが、本作品は小説版の一作目にあたる。
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