朝目覚めたら昨日とは連続していない今日が始まる。過去のことなのに記憶になく、未来のことなのに結果がわかる。自分だけが蚊帳の外のような疎外感に、世界が歪んで見えてくるような感覚に苛まれるヒロインの心情がリアルだ。(40点)
© 2007 Premonition Pictures, Inc. All Rights Reserved.
朝目覚めたら昨日とは連続していない今日が始まる。過去のことなのに記憶になく、未来のことなのに結果がわかる。回りの人間がすべての事情を知った上に口裏を合わせ、自分だけが蚊帳の外に置かれているような疎外感に、世界が歪んで見えてくる。そんな不思議な感覚に苛まれるヒロインはその状況の謎解きに挑戦していく。しかし、映画はなぜ彼女だけが奇妙な体験をするのか説明するわけではなく、運命をコントロールしようとする彼女も無力だ。
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謎解きの興味が急激に失われるのがマイナス(50点)
© 2007 Premonition Pictures, Inc. All Rights Reserved.
予知夢系サスペンスで、仕組まれた罠があるかと期待したが、不条理な現象を経て、ある種の夫婦愛に至る物語だった。リンダは夫の事故死を知るが、翌日には彼は普通に帰宅。それ以降の毎日の不可解な出来事を順番に並べると、曜日がシャッフルされていた驚愕の事実が判明する。1週間をカードのように切って混ぜ合わせるのは今までにない設定だ。戸惑いながらも運命を変えようと奮闘する展開が、いつのまにか夫婦の絆を取り戻す物語へと変わり、謎解きの興味が急激に失われるのがマイナスで、語り口もやや煩雑。ラストは取ってつけたような印象だが、穏やかさが救いだ。
◆不可思議な時間の流れがサンドラ・ブロックを翻弄(60点)
時間の流れをいじる映画には様々な類型がある。『メメント』(00)のように時間軸を逆行させる作品あり。『バンテージ・ポイント』(08)のように同じできごとを視点を変えて繰り返す作品あり。ちなみに、これらの例では時間軸がいじられていると感じるのは観客だけで、登場人物自身はごく普通の時間の流れに沿って生きている。一方、『恋はデジャ・ブ』(93)や『バタフライ・エフェクト』(04)のように、登場人物自身が変則的な時間の流れに翻弄されるパターンもある。『シャッフル』は後者の例の新機軸である。
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