黒いスーツに黒いマスクと帽子、街を犯罪者から守るために戦う男の扮装は、あくまでスタイリッシュ。闇の深さを強調するシャープな映像はモノクロ映画の様相で、夜を切り裂く真っ赤なネクタイが色彩のない世界で正義を象徴する。(40点)
© 2008 SPIRIT FILMS, LLC. All Rights Reserved. THE SPIRIT trademark is owned by Will Eisner Studios, Inc. and registered in the U.S. Patent and Trademark Office.
黒いスーツに黒いマスクと帽子、街を犯罪者から守るために戦う男の扮装は、あくまでスタイリッシュ。闇の深さを強調するシャープな映像はモノクロ映画の様相で、夜を切り裂く真っ赤なネクタイが色彩のない世界で正義を象徴する。だが、不死身の主人公はキャラクターの魅力に乏しく、敵役も個性が浮かび上がってこない。唯一の見所がエヴァ・メンデス扮する女泥棒のセクシーな口元というのでは、原作コミックになじみのないものにはまったく共感を呼ばない。
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バイオレンスとエロティシズムにユーモアをまぶした話(55点)
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この作品が目指すのは、ひたすらスタイリッシュな映像を作ること。強いコントラストのモノクロの中、パート・カラーの赤が怪しげだ。物語は、覆面とスニーカーのヒーロー・スピリットが、愛する街を守るため、宿敵のオクトパスと死闘を繰り広げるというもの。主人公の個性は、一度死んで蘇ったこととその意味を本人が知らないことだ。猫の視点で始まる導入部は洒落ているが、なぜか分からないまま闘っているので、街を守るモチベーションとして弱く、説得力も薄い。映像美に重点を置いた作りは物語としては未熟だが、バイオレンスとエロティシズムにユーモアをまぶした話は意外にも楽しめる。異常にモテる主人公の周囲のセクシー美女たちが見もの。特にスカーレット・ヨハンソンのワケの分からぬ人物造形には笑いが止まらない。
とびきりの美女に囲まれるヒーロー(35点)
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ロバート・ロドリゲスと共同監督した『シン・シティ』(2005)で、スタイリッシュな映像が好評価を得たフランク・ミラーは、初の単独監督作品であるこの『ザ・スピリット』でも、同様の絵作りを踏襲。彩度を落とした画面に印象的なパートカラーを配置する、独特の映像美は健在だ。
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