狂気にも似た激情を秘めた男が潜入捜査官として麻薬組織に入り込む。主人公を演じるロシュディ・ゼムの獲物を狙う野犬のような顔が強烈。危険に身をさらすことにしか生きる実感を見いだせない男の性が悲しみを伴って描かれる。(60点)
一つ間違えば暴走しかねない短気と、惨殺された親友の復讐に燃える執念。狂気にも似た激情を秘めた男が潜入捜査官となって麻薬密売組織に入り込む。主人公を演じるロシュディ・ゼムの獲物を狙う野犬のようなクセのある険しい顔が強烈。拳銃の解体と組み立てに始まり、射撃、水泳、車の運転などの技術研鑚を積んだ挙句、真夜中にたたき起こされて手錠をはめられたまま川に放り込まれるなど、非常にハードな訓練に耐えるシーンが印象的だ。犯罪者と戦う使命感以上に、危険に身をさらすことにしか生きる実感を見いだせない男の性が深い悲しみを伴って描かれる。
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あくまでリアル嗜好(65点)
車好きの仏人リュック・ベッソン率いるヨーロッパ・コープの作品には、荒唐無稽なカー・アクションが多いが、本作は麻薬犯罪ルートを描くリアリズムが新鮮だ。題名のゴー・ファーストとは、最速で麻薬を運ぶ運び屋のこと。パリ警視庁のマレクは麻薬密売組織に同僚を殺される。猛訓練を経て潜入捜査官になった彼は、ゴー・ファーストとして組織に潜入、モロッコからスペイン、さらにフランスへと高速スポーツカーに大量の麻薬を積み込み、危険な任務に出発する。
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◆実話に基づいた実録犯罪ドラマ(70点)
ド派手なアクション映画を世に送り出しているリュック・べッソン率いるヨーロッパ・コープ社が、これまでとは違った異色の刑事モノのクライム・サスペンス・アクションを生み出した。
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◆ドキュメンタリーのような独特の緊迫感。実録ものとしてのリアリティーと娯楽の面白さがうまく両立している(70点)
「潜入もの」は、潜入者の正体がいつ暴かれるかとハラハラするものだが、この映画には、それだけではない独特の緊迫感がある。
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