◆長旅を通じてポルトガル人の海への憧れをノスタルジックな味わいで浮き彫りにさせている(65点)
新大陸発見で有名なクリストファー・コロンブスの没後500年を機に製作された作品で、監督は現在101歳のマノエル・デ・オリヴェイラ。06年にコロンブスはポルトガル人だったという新説がマヌエル・ルシアーノ・ダ・シルヴァという歴史家によって発表された。これに触発されてオリヴェイラ監督は本作を撮り上げたのである。
◆長旅を通じてポルトガル人の海への憧れをノスタルジックな味わいで浮き彫りにさせている(65点)
新大陸発見で有名なクリストファー・コロンブスの没後500年を機に製作された作品で、監督は現在101歳のマノエル・デ・オリヴェイラ。06年にコロンブスはポルトガル人だったという新説がマヌエル・ルシアーノ・ダ・シルヴァという歴史家によって発表された。これに触発されてオリヴェイラ監督は本作を撮り上げたのである。
◆若くして移民となった主人公が生涯をかけて祖国の復興を夢に見るが、独力でできることはたかが知れている。コロンブスがポルトガル人だったという仮説を立証しようとする医師の姿を通して、常識を疑うのが革新への道と語る。(50点)
かつて世界の富を寡占したポルトガル、いまやEUの二等国の地位に甘んじたまま栄光は取り戻すには程遠い。若くして移民となった主人公が生涯をかけて祖国の復興を夢に見るが、独力でできることはたかが知れている。せめて歴史に埋もれた事実を掘り起こし、後世に名を残した先駆者の故郷、つまりは新大陸の出発点としてもう一度注目を浴びさせようとする。そんな男の旅は正史に対する挑戦状。彼の行動を見守る国旗を纏った剣を持つ少女は、過ぎ去り日のポルトガルの象徴としてそっと物語に寄り添う。映画はコロンブスがポルトガル人だったという仮説を立証しようと奔走する医師の姿を通して、常識に異を唱えるのが革新の第一歩であることを語る。