◆俳優たちは素のままの話し方で演じ、まるでフランスの自主映画のごとく極めて個人的な人生の一瞬を切り取った日常のスケッチは、感情を強調しないがゆえのリアリティに満ち、レンズの細かな揺れでヒロインの心の動きを描く。(50点)
クローズアップを多用した寡黙な映像と、取り留めのないおしゃべりが延々と続く饒舌な食卓。冬の北海道、雪に埋もれながらそこに生きる人々の息遣いをハンディカメラに収める。俳優たちは演技をしていないような素のままの話し方で演じ、まるでフランスの自主映画のごとく極めて個人的な人生の一瞬を切り取った日常のスケッチは、感情を強調しないがゆえのリアリティに満ち、レンズの細かな揺れでヒロインの心の動きを描く。変化の少ない生活、着信のないケータイ、新たな出会い、そして事件。限られたセリフと視線だけで人間の繊細な心情を表現し、愛の切なさを浮かび上がらせる。