◆映画のテイストはアメリカン・ニューシネマに近いが、それゆえに悲劇的な結末がデジャヴのようにまとわりつく(65点)
希望と絶望がブレンドされた青春映画は、“今”をブチ壊したものだけがたどりつける場所を目指すロード・ムービーだ。孤児院で育ったケンタとジュンは、解体現場でひたすら壁を壊す“はつり”という不毛な仕事をこなしながら日々をやり過ごしている。安い賃金、過酷な労働、職場の先輩の陰惨ないじめ。怒りが沸点に達した彼らは、先輩の愛車を叩き潰し、ナンパしたブスな女の子・カヨちゃんを連れて、ケンタの兄がいる北海道に向けて逃避行の旅に出る…。