◆実存主義者クリント・イーストウッドが到達した一つの頂点。「ダーティーハリー」と「ラスト・シューティスト」を意識しつつ、米国の正義を個人の行動によってアクロバティックに取り戻そうとした傑作(97点)
本作には二つの「懺悔」の場面がある。一つは、教会での神への懺悔だ。頑固爺さんウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は、神など全く信じていない。神父への問いかけにはシニカルに答えて本心を明かさない。それが、最後に敵のアジトに行く前に、少年の前で本当の懺悔をする。コワルスキーと少年とを隔てる鉄の扉が、懺悔室の小窓のように見える。
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◆観客の人生観をゆさぶるに十分なインパクトを備えた映画(97点)
かつて朝鮮戦争を戦った元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、家族や周囲の人たちから"扱いにくい老人"として疎まれていた。そんな彼の隣家に住む少年タオ(ビー・バン)のファミリーは、モン族というアジア系の移民。ある事件をきっかけに交流を始めたウォルトとタオだったが、タオと地元の不良少年たちとのあいだでトラブルが起き……。
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イーストウッドの暖かい励ましが心にしみる(90点)
© 2009 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
いろいろなテーマやみどころが混ざり、深読みしがいもある『グラン・トリノ』だが、この超映画批評では、これを(例によって?)一風変わった視点からオススメしたい。
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誇り高さゆえ孤独な老後を送る頑固ジジイをC・イーストウッドが苦虫をかみつぶした表情で演じるが、身辺のあらゆることに皮肉に満ちた悪態をつき、いちいち小言を口にする姿は、嫌悪感よりも親しみを感じてしまうほどお茶目だ。(70点)
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朝鮮戦争に従軍した後、自動車工場で働いていた主人公はまさに米国の栄光の時代を知る生き証人。だが、その頃に身につけた誇り高さゆえ、現代の低下しきったモラルに適応できず孤独な老後を送っている。そんな頑固ジジイをC・イーストウッドが苦虫をかみつぶした表情で演じるが、この作品での頑迷ぶりは厳格さよりもむしろコミカルさを漂わせている。孫娘のヘソピ、若い神父の説教、近所の移民など身辺で起きるあらゆることに皮肉に満ちた悪態をつき、いちいち小言を口にする姿は、嫌悪感よりも親しみを感じてしまうほどお茶目だ。
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久しぶりにイーストウッド自身が監督・主演。老人と少年の静かな友情が感動を呼ぶ秀作。(90点)
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ウォルトは、隠居生活を送る頑固で孤独な老人だ。ある日、内気な少年タオが不良から強要されて彼の自慢の愛車グラン・トリノを盗もうとし、失敗。ウォルトがタオの謝罪をしぶしぶ受け入れたことから風変わりな交流が始まる…。
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◆イーストウッドの「いじわるじいさん」が下す勇気ある決断(80点)
息子や嫁に遠慮会釈なく憎まれ口を叩く。孫娘のへそピアスに不機嫌なうなり声を上げる。イタリア系の床屋と口汚く罵り合う。『グラン・トリノ』でクリント・イーストウッドが演じるのは、そんなポーランド系の偏屈ジジイ、コワルスキーの役だ。この「いじわるばあさん」ならぬアメリカ版「いじわるじいさん」の描き方がユーモラスで、起承転結の「起」の部分はクスクス笑い通し。コワルスキーは隣家のアジア系移民にも胡乱(うろん)な目を向けるが、ふとしたきっかけでその家の姉弟、スーとタオを救うことになり、思いもかけない交流が始まっていく。
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クリント・イーストウッドが唸る渾身の一作!(85点)
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クリント・イーストウッドが唸る。怒れる老人は誰も止める事が出来ない。『チェンジリング』からほとんど間を空けずに公開されるイーストウッド監督主演最新作『グラン・トリノ(原題:GRAN TORINO)』では彼が扮する年老いた男がストリートと言う名の戦場に立つ。
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