80年代のサブ・カルがたっぷりの、味わい深くも気恥ずかしい青春映画だ。(65点)
80年代のサブ・カルがたっぷりの、味わい深くも気恥ずかしい青春映画だ。リストラされた中年男の賢三が、当時好きだった美甘子からの不可解な手紙を受取り、過去をたどる。映画愛がふんだんに描かれるのは嬉しいが、前半に多用されるジャンプ・カットは少々うるさい。チョキ百連発の人生なんてないと教えつつ、自分を否定せずに情けなさを愛おしむラストがいい。変人の高校生役の柄本佑が印象的だ。テーマ曲は電気グルーヴ。
80年代のサブ・カルがたっぷりの、味わい深くも気恥ずかしい青春映画だ。(65点)
80年代のサブ・カルがたっぷりの、味わい深くも気恥ずかしい青春映画だ。リストラされた中年男の賢三が、当時好きだった美甘子からの不可解な手紙を受取り、過去をたどる。映画愛がふんだんに描かれるのは嬉しいが、前半に多用されるジャンプ・カットは少々うるさい。チョキ百連発の人生なんてないと教えつつ、自分を否定せずに情けなさを愛おしむラストがいい。変人の高校生役の柄本佑が印象的だ。テーマ曲は電気グルーヴ。
◆何の根拠もなく「自分は他のヤツらと違う」と信じていた一方で、自分が何者で何ができるのかに悩む。そんな高校生たちの物語なのだが、この少年たちはピカピカの青春とは無縁の存在。それでも確かに記憶の中の自分は美しい。(50点)
何の根拠もなく「オレは他のヤツらと違う」と思い込み、明るい将来が約束されていると信じていた。その一方で、自分が何者で何ができるのかに悩み、ちょっとしたことにも傷つく。そんな高校生たちの物語には違いないのだが、この映画に描かれている少年たちはピカピカの青春とは無縁の存在。それでも中年にさしかかった「今」から見れば、確かにあの時代は輝いていたと思える。何かひとつのことに熱くなるのはダサいという価値観が支配的だった「新人類」と呼ばれていた世代でさえ、記憶の中の自画像は美しいのだ。