超一流のピアノの腕前を持った妻と前途洋洋たる才能を持った青年、そのふたりを目の前にして徐々に失われていく理性を自覚する高名な作曲家。若き日のブラームスの、ロベルト&クララのシューマン夫妻との交流と秘めた愛を描く。(40点)
超一流のピアノの腕前を持った妻と前途洋洋たる天賦の才を持った青年、そのふたりを目の前にして徐々に失われていく己の理性を自覚する高名な作曲家。若き日のブラームスがロベルト&クララのシューマン夫妻の知己を得て、やがて彼らを凌駕するまでの音楽家になる過程で一途に秘めた愛を描く。ただ物語は事実に基づいているので大胆な解釈や柔軟な発想に乏しく、主要な登場人物3人のキャラクターは後世に名を残したアーティストにしては平凡。ロベルトは創作の苦悩より頭痛とアヘン中毒に苦しむばかりだし、クララはブラームスとの不倫には踏み切れず、ブラームスも野心的なのは最初のうちだけ。映像からは「ライン」の怒涛も「ハンガリー舞曲」の躍動も感じられなかった。