◆老人のセックスをリアルに、そして温かく描く秀作(70点)
人生何が起こるか分からない。何かとんでもない事があっても、それはもう仕方の無い事として受け止めるしかないのだろう。ドイツ人映画監督アンドレアス・ドレーゼンの『クラウド9(英題:CLOUD 9)(原題:WOLKE 9)』では、主人公インゲ(ウルスラ・ヴェルナー)は60代にして新たに性の目覚めを体験する。彼女には30年間連れ添ってきた愛する夫ヴェルナー(ホルスト・レーベルク)がいるが、他の男性に情熱を見出す。彼女には何故突然そうなったのか分からない。それは突然「起こってしまった」のだ。