女占い師の元に突然現れる陰を引きずった男というノワールな雰囲気を漂わせたオープニングに惹かれるものがあるが、アクションは途半端、ストーリーも破綻している。構成も細部も疎かにしたいい加減な脚本の見本のような作品だ。(30点)
女占い師の元に突然現れる陰を引きずった男という、かつて一時代を築いた東映セントラルフィルムのようなノワールな雰囲気を漂わせたオープニングに惹かれるものがあったが、現在の藤原竜也には松田優作のような存在感を期待するのは酷というものだろう。暴力に彩られた経歴と抜群の頭脳と洞察力を持っていることはよく分かるが、カメレオンというほどの偽装ができるわけではない。さらにリアルでも大げさでもない中途半端なアクションで茶を濁す。そして極めつけは破綻してしまったストーリー。構成も細部も疎かにしたいい加減な脚本で映画を作るとこういう結果になるという見本のような作品だ。