◆かつて指揮者だった主人公が失った時間は取り戻すために、チャンスを見極め、仲間を集め、ためらわず実行する。そんなありきたりなオッサンたちの再生物語に美しい演奏家を絡め、コメディとミステリーの鮮やかな融合を見せる。(50点)
オーケストラの練習を客席から見守りながら、指揮者になったつもりでメロディに酔う男。かつてこの楽団の指揮者だったにも関わらず、反政府的言動で職を奪われ不遇をかこっている彼が大芝居を打つ。カメラは、老齢に差し掛かった主人公の、もう一度人生に立ち向かう過程をコミカルに追う。失った時間は取り戻せないけれど、チャンスを見極め、仲間を集め、ためらわず実行する。そんなありきたりなオッサンたちの再生物語に若く美しい演奏家を絡め、映画はコメディとミステリーの鮮やかな融合を見せる。
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© 2009 - Les Productions du Trésor
◆アンドレイがなぜフランスの売れっ子女性バイオリニストと共演したがるのか。歴史の悲劇であるその理由が、クライマックスの演奏会と共に語られる場面がすばらしく感動的だ(70点)
落ちぶれた元楽団員のリベンジの物語は、笑いと涙の感動作だ。かつて一流オーケストラ・ボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレイは、ある事件が原因でキャリアの絶頂期に職を追われ、今はやむなく清掃員として劇場で働いていた。ある日、出演できなくなったオーケストラの代わりを探しているというFAXを入手。アンドレイは、かつての仲間たちを集めてニセの楽団を結成し、生涯の夢だったパリ公演を実現するという無謀な計画を思いつく。ソリストとして指名したのは、パリ在住のヴァイオリニストのアンヌ・マリーだ。アンドレイには、再び音楽で輝きたいという望みとは別に、ある思惑があったのだが…。
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◆前半ではドタバタ風のコメディーが観られ、後半ではシリアスな雰囲気を漂わせたりといった見応えのある演出で楽しませてくれる(70点)
かつてはボリショイ交響楽団の天才的指揮者だったアンドレ(アレクセイ・グシュコフ)も今となっては、単なる劇場の清掃員。ある日、パリのシャトレ劇場から二週間後のLAフィル公演が中止になったため、代わりのオーケストラを探しているというFAXを発見し、かつての仲間を集めて楽団を結成し、この公演に出演することを思いつくのだが……。
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