◆想像力が作り上げた世界は美しく彩られた愛の言葉に満ち、イメージは永遠に色褪せない。現実では人の気持ちは変わり愛も移ろう。若くして作家として成功した女性が小説世界を実生活に持ち込もうし、落差に苦しむ姿がリアルだ。(60点)
ヒロインの想像力が作り上げた世界は美しく彩られた愛の言葉に満ち、そのイメージは永遠に色褪せない。現実の生活においては人の気持ちは変わり愛も移ろう。少女のころ夢にまで見た豪邸で召使にかしづかれる生活、ハンサムなアーティストの夫、若くして作家として成功した女性が自ら創作した小説世界を実生活に持ち込もうとするが、物語の登場人物のようには幸せになれない。作品の書き換えを一切拒むプライドが、現実は小説のように自分でコントロールできないことに苦しむ姿をより一層際立たせる。
この映画の批評を読む »
強い上昇志向でセレブの仲間入りを果たした女性の成功と転落。華やかな映像が美しいが、オゾンらしさは薄い。(65点)
20世紀初頭のイギリス。貧しい生まれのエンジェルは、上流社会への強烈なあこがれを基に小説を書き、作家としてデビューする。大成功を収めた彼女は、豪邸を購入し貴族出身の画家エスメと結婚するが、やがて夫の驚愕の事実を知ることに…。
この映画の批評を読む »
パラダイスに住むエンジェルの、ほろ苦い人生(60点)
男性でありながら、オンナ以上に女性の内面を鋭く描くフランソワ・オゾン監督。その類まれな感性は、もしかしたら彼自身ゲイである事が寄与しているのかもしれない。この最新作『エンジェル』も、多くの共感を集めそうな女性映画だが、オゾン作品としては珍しく全編英語で、25億円もの予算をかけたコスチュームプレイ(豪華衣装が見所の時代ドラマ)となっている。
この映画の批評を読む »